個人でできる土地活用 駐車場経営の始め方を解説

駐車場経営は、個人でも始めやすい手軽な土地活用法として知られています。 この記事では、すべて自分で管理する「個人経営」と、運営会社へ任せる「委託」のそれぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。あわせて、駐車場経営を始めるために必要な準備や成功の秘訣もご紹介します。
- 個人で駐車場経営を始めるための基礎知識
1-1.駐車場経営とは何か
1-2.駐車場の種類 - 駐車場経営の方式と選択肢
2-1.個人経営(自主管理)
2-2.管理委託
2-3.一括借り上げ(サブリース) - 個人で駐車場経営を行うデメリット
3-1.収益性の高さ
3-2.運営方針の自由度の高さ - 駐車場経営におけるリスクと対策
4-1.日常の管理業務
4-2.トラブル対応の負担
4-3.収益の変動リスク - 個人経営(自主管理)に向いているのはこんなケース
5-1.駐車場にする土地が自宅付近にある
5-2.時間的余裕がある
5-3.月極駐車場にする - 駐車場経営を始めるためのステップ
6-1.土地の選定
6-2.需要の見極め
6-3.駐車場設置で守るべき法律・条令や必要な法的手続き
6-4.駐車場経営に必要な設備一覧
6-5.料金設定と集客施策 - 駐車場経営を始めてから必要な対応
7-1.機器・設備の修繕
7-2.機器不具合の対応
7-3.集金、清掃業務
7-4.利用者対応
7-5.確定申告手続き - 個人で駐車場経営を成功させるためのポイント
8-1.顧客満足度を高める取り組み
8-2.競合分析と適切な料金設定 - まとめ
1.個人で駐車場経営を始めるための基礎知識

駐車場経営は、土地の有効活用方法のひとつとして注目されています。
特に、遊休地や空きスペースを収益化できる点が魅力です。マンションやアパート経営のように建物を建てる必要がないため、初期費用が少なく、個人でも始めやすいのが特徴です。
アスファルト舗装や簡単な設備投資でスタートでき、短期間での活用も可能なため、将来的な土地利用計画が未定の場合にも柔軟に対応できます。
1-1.駐車場経営とは何か
駐車場経営は、車を停めるスペースを提供し、利用料を収益として得るビジネスです。都市部や駅周辺など需要の高いエリアでは、安定した収益が期待できます。
さらに、管理の手間が比較的少ないことも特徴です。アパートマンションの賃貸経営で必須の建物の維持や入居者対応が不要で、機械を導入すれば基本的に無人営業が可能です。清掃や集金などの定期作業を行えば運営が可能なので個人経営もしやすいビジネスです。
1-2.駐車場の種類

月極駐車場
駐車場利用者と土地オーナー様がひと月単位で賃貸契約をする駐車場のこと。
駅前や住宅街でニーズがあり、収容台数とその土地の賃料相場によって収入の上限が決まります。
契約者がいれば安定した収入を得られる点がメリットですが、空室が出た場合は大きく収入が減ってしまう点がデメリットです。

コインパーキング(時間貸し駐車場)
不特定多数の人を対象に、利用時間分の料金を支払う駐車場のこと。
駅前やオフィス街、大型商業施設の近く、観光地等利用ニーズが大きい場所はもちろん、近年では住宅地で見かけることも増えました。
料金設定次第では月極駐車場より儲けることができますが、そのためには継続的な市場調査と戦略的な料金設定が必要となります。
また料金精算機が必要で月極駐車場よりも設備費用がかかります。
月極駐車場とコインパーキングの違い(メリット・デメリット・適した土地)を表にまとめました。
| 月極駐車場 | コインパーキング | |
|---|---|---|
| メリット |
|
|
| デメリット |
|
|
| 適した土地 |
|
|
駐車場経営の収益は立地に大いに左右されます。
大事なのは、所有している土地が月極駐車場とコインパーキングどちらに向いているのか判断する事です。
「初期費用を抑えたいから月極駐車場経営にしよう」と考えるのも悪くはありませんが、所有する土地が月極駐車場とコインパーキングどちらに向いているのかをよく考えましょう。
また、周辺に競合となる駐車場があるのか、需要と供給のバランスも見極めどちらかを選択しましょう。
2.駐車場経営の方式と選択肢
駐車場経営を行う場合、すべての管理業務をご自身で行う場合や、一括で運営会社へお願いする場合など様々な選択肢があります。それぞれの方式の概要と特徴をまとめて紹介します。
2-1.個人経営(自主管理)

自主管理方式は、土地の所有者自身が駐車場の運営や管理を行う方法です。この方式の最大のメリットは、外部に委託しないためコストを削減できる点です。また、自分の運営方針に合わせて自由に管理ができるため、柔軟性があります。しかし、運営には時間と手間がかかるため、時間に余裕があり、基礎的な知識や対応力が必要となります。特に、トラブル対応や集客施策なども自分で行わばければならず、負担が大きい点には注意が必要です。
2-2.管理委託

管理委託方式は、駐車場の運営を専門の業者に委託する方法です。この方式の利点は、専門知識や経験を持つ業者に任せることで、運営の質が向上する点です。また、経営者自身の負担が軽減されるため、他のビジネスやプライベートに時間を使うことができます。ただし、委託費用がかかるため、その分の収益を考慮する必要があります。
2-3.一括借り上げ(サブリース)

一括借り上げ方式は、運営会社へ土地を一括で貸し、駐車場として運営してもらう方法です。この方式の特徴は、安定した収入源が確保できる点で、契約期間中は一定の収入が保証されます。また、運営の手間がほとんどないため、経営者は他の事業に専念できます。しかし、一括借り上げの契約には制約があり、特に契約更新や解除条件には注意が必要です。このように駐車場経営は、自分自身ですべての管理業務を行う方法から管理会社へ一括で任せる方法まで様々です。ご自身の状況にあわせて無理のない手段を選択しましょう。
3.個人で駐車場経営を行うメリット

個人での駐車場経営に興味がある方は、まずは収益性や自由度の高さに惹かれることでしょう。運営会社へ任せる場合と個人で駐車場経営をする場合とで、メリットを比較し、ご自身にあった経営の方法を検討してください。
3-1.収益性の高さ
駐車場経営を個人で行う最大の魅力は、収益性の高さです。管理会社に委託しない場合、管理手数料が発生しないため、利用料はすべてオーナーの収入となります。例えば、月極駐車場であれば毎月安定した収益が見込め、コインパーキング方式なら稼働率次第でさらに高い利益を得ることも可能です。特に立地条件が良い場所では、駐車スペースの需要が高く、長期的に安定した収益を確保できます。さらに、料金設定や契約条件を自分で調整できるため、繁忙期やイベント時に価格を見直すなど、収益を最大化する工夫がしやすい点も大きなメリットです。
3-2.運営方針の自由度の高さ
個人運営のもう一つの強みは、運営方針の自由度です。料金設定やサービス内容を自分で決められるため、地域のニーズや競合状況に合わせて柔軟に対応できます。例えば、近隣に大型商業施設がある場合は短時間利用を重視した料金体系にする、住宅街なら月極契約を中心にするなど、戦略を自由に設計できます。また、防犯カメラやキャッシュレス決済などの設備導入もオーナーの判断で行えるため、利用者の満足度を高める工夫が可能です。
また管理委託や一括借り上げ方式では、運営会社との契約年数に制約がある場合があります。土地の売買や建築予定があって駐車場経営を行える期間が未定の場合は注意が必要になりますが、個人で行う場合、このような解約条件を気にする必要がなくなります。
4.個人で駐車場経営を行うデメリット

個人で駐車場経営を行う場合のデメリットは、大きく2点あり、管理の手間と収益変動のリスクです。駐車場経営を行う場合は、このようなリスクを前もって把握し、あらかじめ対策を準備して臨みましょう。
4-1.日常の管理業務
個人で駐車場経営を行う場合、日常的な管理業務をすべて自分で対応する必要があります。具体的には、駐車場精算機からの集金業務、駐車場内の清掃や雑草の除去、設備の点検、防犯カメラの確認、月極駐車場の場合は契約者対応などが挙げられます。さらに、精算機やゲートの故障対応、看板の設置や更新などもオーナーの責任です。こうした作業は一見簡単に思えますが、定期的に行わなければ利用者の満足度が低下し、稼働率にも影響します。特に複数台分のスペースを管理する場合、手間と時間が想像以上にかかる点は大きな負担です。
4-2.トラブル対応の負担

駐車場では、駐車場内での事故や利用者同士のトラブル、無断駐車、機器の故障など、さまざまな問題が発生します。これらの対応をすべてオーナーが行う場合、時間的・精神的な負担は非常に大きくなります。特に、深夜や休日に発生するトラブルは迅速な対応が求められ、生活に支障をきたすこともあります。また、事故や損害賠償に関する法的な対応が必要になるケースもあり、専門知識がないとリスクが高まります。こうしたトラブル対応は、個人運営の最大の課題といえるでしょう。
4-3.収益の変動リスク
駐車場経営は、立地や周辺環境に大きく左右されるビジネスです。近隣に新しい駐車場ができたり、交通量が減少したりすると、利用率が低下し収益が不安定になる可能性があります。さらに、季節や天候、イベントの有無によっても稼働率は変動します。こうした要因を予測し、料金設定や集客施策を柔軟に調整する必要がありますが、個人で対応するのは容易ではありません。安定した収益を確保するためには、継続的な市場調査や戦略的な運営が求められます。
5.個人経営(自主管理)に向いているのはこんなケース

駐車場経営を個人で行うメリット・デメリットについて解説してきましたが、ここでは実際にどんな方が個人経営に向いているのか、どのような方法であれば個人経営でも始めやすいのか、具体的な例を紹介していきます。ご自身の生活や土地の要件に当てはめて確認してみましょう。
5-1.駐車場にする土地が自宅付近にある
駐車場が自宅近くにある場合、管理の負担を大幅に軽減できます。清掃や設備点検、利用者対応などの日常業務を、移動時間をかけずに行えるため、効率的な運営が可能です。さらに、トラブルが発生した際も迅速に対応できるため、利用者の信頼を得やすくなります。逆に、遠隔地の土地で駐車場経営を行う場合は、管理会社に委託する方が現実的です。自宅から駐車場までの距離も考慮すべき点になります。
5-2.時間的余裕がある
駐車場経営は、管理業務やトラブル対応に一定の時間を要します。例えば、定期的な清掃、精算機の点検、契約手続き、利用者からの問い合わせ対応など、細かな作業が発生します。時間的余裕がある人なら、こうした業務を自分でこなすことで、管理会社への委託費用を節約し、収益を最大化できます。逆に、仕事や家庭で忙しい場合は、管理会社に委託する方が安心です。個人運営は「時間と手間をかけて利益を増やす」スタイルなので、時間的余裕がある人に向いています。
5-3.月極駐車場にする
月極駐車場は、機器設置の必要がなく初期費用が安く抑えられるため個人経営に非常に向いています。利用者は毎月決まった料金を支払うため、収益の予測が立てやすく、売上予測もシンプルです。また、利用者が固定されることで、トラブルや管理の手間も比較的少なくなります。特に、住宅街やマンション周辺など駐車スペースが不足している地域では、月極契約のニーズが高く、空きが出にくい傾向があります。所有している土地の立地が時間貸し駐車場(コインパーキング)よりも月極駐車場に向いていれば、比較的個人経営のハードルが低く始めやすいといえるでしょう。
6.駐車場経営を始めるためのステップ

それでは、個人で駐車場経営を始めるための具体的なステップについて紹介していきます。土地を選定して駐車場経営を始めるまでは、約3か月~半年程度を見込んでおきましょう。準備期間で、土地の整地や工事、設備の入手、その他法的な手続きを進めていきます。
6-1.土地の選定

これから土地を取得するという場合は、前提としてその土地が都市計画法上でどのような区分とされているかを確認します。例えば市街化調整地区であれば、建物の建築や開発行為に制限があり、規模によっては開発許可が必要となる場合があります。また駐車場設置を考えている土地が農地である場合には、農地法に基づいて都道府県知事等へ転用の届出が必要になります。場所によって許可や届出が必要になると覚えておきましょう。
続いて立地やアクセスの良さを考慮して土地を選定する必要があります。周辺にどんな施設があり、どのような用途で人の往来があるのか、事前に調査するのが良いでしょう。
6-2.需要の見極め
需要によってコインパーキングにするか、月極駐車場にするかを決める必要があります。
短時間の利用が多いのであれば、一日に複数回回転するコインパーキングが適しています。平日と土日、昼間と夜間、というように曜日や時間帯を変えて複数回調査するのが望ましいでしょう。近隣の駐車場があれば、料金や満車・空車の割合を見ておくのも、経営を考えるヒントとなります。
マンションの多い住宅街などでは、入居者に対して駐車場が足りていない場合があるので、月極駐車場としての需要があります。月極駐車場の供給が不足しているエリアでは、常に契約で埋まっており、キャンセル待ちをされる方もいます。周辺に月極駐車場があるかどうか、ある場合は車の埋まり具合や料金を確認しましょう。
6-3.駐車場設置で守るべき法律・条令や必要な法的手続き

駐車場経営をする上で、関係する法律や条例関係を紹介します。土地の立地や規模によって守らなければいけない内容も変わってきます。こちらでは、よく該当する項目を紹介しますが、不安な場合は一度専門家へ相談されることをお勧めします。
駐車場法
駐車場法とは、主に都市部での自動車の駐車施設に関して必要事項を定め、道路交通の円滑化や都市機能の維持及び増進に寄与することを目的として1975年に制定された法律です。
駐車場法に当てはまるのは、以下3つの条件をすべて満たした場合です。
- 一般公共の用に供されるもの
- 駐車スペースの合計面積が500㎡以上
- 駐車料金を徴収するもの
必要な届出や技術的基準の例
| 項目 | 適用される主な条件 | 規制・基準の概要 |
|---|---|---|
| 届出の義務 | 駐車の用に供する部分の面積が500㎡以上である場合 | 供用開始後10日以内に、都道府県知事等に管理規定を届け出る必要があります。管理規定には名称、運営者、使用時間、駐車料金などを定めます。 |
| 技術的基準 | 上記の届出対象となる駐車場 | 出入口:交差点の側端から5m以内、横断歩道の前後5m以内、バス停標識から10m以内、小学校等の出入り口から20m以内には設置不可 等
車路:一方通行以外の車路の幅員5.5m以上 等 照明装置:自動車の車路路面では10ルクス以上、駐車の用に供する部分では2ルクス以上の明るさにすること。 |
※上記は法律の条文を基に、独自に解釈・解説したものです。正確な法解釈については、専門家にご確認ください。
6-4.駐車場経営に必要な設備一覧
駐車場としての運営をスタートする前に、準備が必要な設備一覧を紹介します。

月極駐車場の場合
| アスファルト舗装もしくは砕石舗装 | 土地の場所によって変わりますが、アスファルト舗装もしくは砕石舗装を施すのが一般的です。 |
| 月極駐車場看板 | 月極駐車場だということが分かる看板や、契約者募集といった掲示をすることで集客します。 |
| 車室ナンバー表示(ペイント・看板など) | アスファルトの場合地面へのペイント、砕石の場合は看板に表示するなど、利用者が自分のスペースを把握できるよう表示します。 |
| 車止め | 駐車スペースの数だけ用意します。 |
| 照明 | 夜でも安心して利用できるよう場内に照明を設置します。 |
| フェンスやバリカー | 隣地に建物やブロック塀がある場合など、接触の危険がある場合にはフェンスやバリカーで保護することでリスクを軽減できます。 |
| 防犯カメラ | トラブルの抑止や利用者の安全につながるため、設置を推奨します。 |
時間貸し駐車場(コインパーキングの場合)

機器の種類によって必要な設備が変わるため、前払い式、ロック式、ゲート式の3種類での比較を紹介します。
| 項目 | 前払い式 | ロック式 | ゲート式 |
|---|---|---|---|
| アスファルト舗装もしくは砕石舗装 | 砕石でも可 | アスファルト舗装 | アスファルト舗装 |
| 料金看板 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 料金精算機 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 車室ナンバー表示 | ※車室のラインは必要 | ナンバーペイントが必要 | ※車室のラインは必要 |
| ロック板機器 | – | 必要 | – |
| ゲート機器 | – | – | 必要 |
| 車止め | 必要 | 必要 | 必要 |
| 照明 | 必要 | 必要 | 必要 |
| フェンスやバリカー | 立地とレイアウトによる | 立地とレイアウトによる | 立地とレイアウトによる |
| 防犯カメラ | 設置を推奨 | 設置を推奨 | 設置を推奨 |
6-5.料金設定と集客施策
料金設定は収益に直結するため、慎重に行う必要があります。市場調査を行い、周辺の相場を把握しましょう。競合の料金を参考にしながら、自分の駐車場の特徴を活かした料金を設定します。また利用者は、駐車場の場所をカーナビや地図アプリなどで検索することも多いので、地図サイトやカーナビのマップなどへの登録も欠かさずに行いましょう。月極駐車場の場合は、現地に契約者募集の看板を設置したり、マンションへのチラシ投函などで駐車場に近い生活圏のターゲット獲得を目指しましょう。
7.駐車場経営を始めてから必要な対応

駐車場経営を開始してからも継続して発生する対応があります。定期的な機械のメンテナンスや清掃などの日常業務に加え、利用者の対応や修理の対応など突発的に発生するものもあります。どのような作業が必要になるのか、事前に把握しておくことでスムーズに対応でき、継続的な運営につながるでしょう。
7-1.機器・設備の修繕

駐車場経営を安定的に行うためには、機器設備の修繕とメンテナンスが不可欠です。対応は、主に「物理的な破損」と「システム的な不具合」の二つに分けられます。物理的な破損とは 利用者が、設備に誤ってぶつかって壊れたり、色が剥げたり、曲がったり、傾いたりするような場合を指します。これらの破損を放置すると、駐車場の安全性が損なわれるだけでなく、「管理の行き届いていない駐車場」という印象を与え、利用者の減少やトラブルの原因になりかねません。特に看板の傾きなどは視認性や案内に影響するため、発見次第、速やかに修繕し、常に清潔で整備された状態を保つことが求められます。
7-2.機器不具合の対応

続いてシステム的不具合とは、主に駐車場機器の異常によって発生するトラブルです。ゲート式機器のバーの昇降不具合、車両検知センサーの異常、ロック板機器の昇降異常、お釣りの不排出や高額紙幣・硬貨の詰まりなどがこれにあたります。これらの不具合は、車両の入出庫停止や精算不能を招き、すぐに対応しなければクレームや営業機会の損失に直結してしまいます。機械の不具合は、専門的な知識と技術が必要なため、個人で対応することは非常に困難です。そのため、機器メーカーや専門の管理会社と警備契約(緊急対応契約)を結んでおくことを強くおすすめします。これにより、24時間365日体制で専門スタッフによる迅速な駆け付け対応が可能となり、営業機会の損失を防ぐことができます。
7-3.集金、清掃業務
コインパーキングの場合、利用料金は現地の精算機へと投入されます。駐車場として営業を開始したら、定期的に売上金の回収や釣銭の補充を行う必要があります。また無人営業をしている駐車場では、ペットボトルや空き缶といったゴミが投棄されていたり、タバコがポイ捨てされているということはよくあるケースです。定期的に清掃をして環境を整えることは、利用者にも良い印象を与えます。
7-4.利用者対応
月極駐車場の場合、申し込みや解約時の利用者対応が必須となります。長期に渡って駐車場を利用する契約ですので、住宅の賃貸契約と同様に、利用約款を設け、禁止事項などを明記し、契約者とのトラブルが発生しないようにしましょう。
コインパーキングの場合、突発的に利用者対応が必要となる場合があります。例えば、利用者が車で駐車場内の設備にぶつかってしまった場合、オーナー利用者に損害賠償請求をすることで、修理代金などを請求できます。修理費用の回収については、利用者本人ないしは加入している保険会社とやり取りをする必要があります。トラブル防止のため、利用約款を設けるようにしましょう。
これらはほんの一例ですが、駐車場を利用するお客様がいる以上、利用者の対応は必ず発生します。
7-5.確定申告手続き

確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの収入、支出、医療費や扶養親族の状況等から所得税を計算し、その結果を申告書に記載して税務署へ提出することで、納付すべき所得税を確定させることをいいます。
対象となるケースは、①会社員の方で、駐車場経営で得た所得(利益)が年20万円以上ある場合、②会社勤めをされていない方で、年間の駐車場経営での所得から所得控除を引いた金額が1円でも発生する場合です。駐車場経営をしている多くの方が確定申告の対象となることを覚えておきましょう。
個人でビジネスを行う以上、確定申告は避けては通れないタスクの一つです。確定申告は複雑で面倒だという印象を持つ方も多くいらっしゃっるかと思います。
こちらで確定申告をスムーズに行うコツをご紹介します。まず、駐車場経営専用の口座を開設すること。売上金は専用口座へ入金し、修繕費や固定資産税などもこの口座から出金します。通帳を見るだけで、ある程度の売上と経費の流れが把握でき、税務署への証明力も高まります。
次に経費の領収書やレシートの保管についてです。月1程度で集計をすると確定申告の際に手間が減ることはもちろん、コストの把握にもつながります。日頃から工夫して管理することにより年1回の作業が楽になるので、取り入れてみてください。
8.個人で駐車場経営を成功させるためのポイント

個人で駐車場を運営し、収益をあげ、長期的に安定した経営を保つには、どのようなポイントがあるでしょうか。駐車場というサービスの特性上、立地条件は外せない要件ですが、ここでは立地以外でオーナーが工夫して取り組める内容をご紹介します。利便性がカギとなる駐車場というサービスでは、利用者目線での整備、改善が集客につながります。
8-1.顧客満足度を高める取り組み
利用者の立場で、駐車場を使用する場合、どのような基準で利用する駐車場を決めているでしょうか。ここでは立地や料金以外で利用者に選ばれるためのポイントをいくつか紹介します。顧客満足度の向上をはかることで、良い口コミが増える、リピーターが獲得できるといった集客につながることもあり、売上向上のために重要な対策です。
キャッシュレス決済の対応

キャッシュレス化が進む中で、駐車場の支払いも電子マネーやクレジットカード決済、各種コード決済などに対応することは、もはや必須事項と言えるでしょう。特に時間貸し駐車場(コインパーキング)では、現金の持ち合わせに不安のある利用者を取り逃がさないためにもクレジットカードや電子マネー対応を行い、「クレジットカード利用可能」というようにしっかりと掲示を行いましょう。
駐車しやすいレイアウト
通路が狭く駐車の難易度が高い駐車場よりも、スペースにゆとりがあって停めやすい駐車場のほうが利用者に選ばれやすいです。駐車スペースの幅や通路の広さを適切に設計し、利用者がスムーズに駐車できる環境を提供することが重要です。また、駐車場内の標識や案内板を分かりやすく配置し、利用者が迷わずに目的のスペースにたどり着けるようにする配慮も必要です。このような工夫は、初めて利用する顧客に安心感を与え、リピーターの獲得につながります。ゆとりがあることで接触事故を未然に防ぐことにもつながり、修繕にかかるコストも最小限に抑えることができます。実際に駐車する利用者を考慮し、無理のないレイアウトを設計しましょう。
管理の行き届いた環境(清掃・除草・照明など)

利用者にとって、駐車場の環境が清潔で整っていることは重要です。定期的な清掃や除草を行い、駐車場全体を清潔に保つことで、利用者に安心感を与えます。また、夜間でも明るく安全に利用できるように、十分な照明を設置することも大切です。照明の設置は防犯対策にもなり、利用者に安心感を提供することで、再度の利用につながるでしょう。監視カメラの設置や定期的な巡回を行うことで、安全性をアピールし、他の駐車場との差別化を図りましょう。
8-2.競合分析と適切な料金設定

駐車場経営を成功に導くためには、周囲の競合駐車場の動向を常に把握し、適切な戦略を立てることが不可欠です。
駐車場ビジネスは、周囲の競合駐車場の影響を極めて受けやすいビジネスモデルです。特に都市部や主要駅周辺などでは、土地の有効活用として短期間の活用方法としても設置が可能なため、比較的短いスパンで新しい競合駐車場がオープンしたり、既存の施設が閉鎖したりと、入れ替わりの激しいマーケットでもあります。そのため、売上を最大化し、安定した収益を確保するためには、以下の点に留意した定期的な周辺の競合調査を行うことが最も重要なカギとなります。
- 料金体系の比較分析:競合の最大料金、短時間料金、夜間料金などを詳細に調査し、自社の料金が競争力を持っているか、あるいは適正な収益を生み出せる設定になっているかを検証します。
- 稼働率の定点観測:曜日や時間帯を変えて競合駐車場の車の入り具合(稼働率)を調査し、周辺エリアの真の需要と供給のバランスを見極めます。
- 立地とサービスの評価:自社の駐車場と比較して、入口の分かりやすさ、駐車場の広さや停めやすさ、決済方法の種類、周辺施設との距離といった付加価値を評価します。
これらの競合分析を通じて、所有する駐車場が持つ優位性を見出し、変動する市場環境に合わせた柔軟な料金改定や集客施策を講じることで、収益の最大化を図ります。
9.まとめ
駐車場経営は初期費用や管理の手間が比較的少なく、個人でもできるビジネスです。
駐車場経営を個人で検討する際には、まず月極駐車場にするのか時間貸し駐車場(コインパーキング)にするのかという駐車場の種類を検討しましょう。必要な設備、管理の手間、見込める収益が変わってくるので、その土地とオーナーにあった駐車場のタイプを選択します。
駐車場経営を個人で行う最大の魅力は、収益性の高さです。自身ですべての管理業務を行うことでコストを抑え、高い収益が見込めます。
個人経営以外だと、管理業務を運営会社へ委託する方法と一括借り上げ(サブリース)ですべてを任せる方法があります。いずれも管理や運営のために費用が発生しますが、面倒な定期作業やトラブル対応を任せることができるので、手間がかからず安心して経営ができるという魅力があります。
専門的な知識を必要とする場面もあるため、不安な方は運営会社へ相談することをおすすめします。
当社は、駐車場機器・設備の販売から管理業務の委託、一括借り上げでの運営全般まで、オーナー様のご要望にあわせて柔軟に対応できるプランをご用意しております。
アップルパークでは豊富なプランをご用意
- 個人経営をされる方 → 駐車場機器の販売、工事や修理の請負い
- トラブル対応や電話対応などを任せたいという方 → ご要望に合わせて必要な業務のみ委託できるプランをご用意
- 個人経営をする時間がない方、遠方の土地をお持ちの方 → 一括借り上げ(サブリース)にて毎月固定の賃料をお支払い
どのようなプランにするか迷っている方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
アップルパークは土地・空間の価値を最大限に高めながら、美しい街づくりの実現を目標としています。35年の豊富なノウハウを活かし、お客様一人ひとりに寄り添った最適なご提案をいたします。このコラムでは駐車場・駐輪場経営や土地活用に関するアイディアや事例を紹介し、読者の皆様に役立つ情報を発信しています。








