正しく理解しないと損をする!?駐車場経営における利回り
土地活用をする上で気になるのは「利回り」ですよね?
- 「駐車場経営はローコスト・ローリスクと言われているけど、利回りはどうなんだろう?」
- 「そもそも利回りって何?」
- 「駐車場経営の利回りってどうやって計算するの?」
このようなお悩みをお持ちのあなたには、今回の記事は是非読んでいただきたい内容です!
利回りを正しく理解していないと、「思っていたよりも利益が出ない…」「別の土地活用にすればよかった…」なんてことにもなりかねません。
結論から言うと、駐車場経営をはじめとした不動産投資の利回りを計算するときは、稼働率を計算に組み込むことが大切です!
今回は、利回りとは?という基本的な内容から駐車場経営においての利回りの考え方、計算方法まで、土地活用初心者の方にも分かりやすいようにまとめました。
本記事を最後まで読めば、駐車場経営における利回りに関して基本的な知識を身につけることが出来ますよ!
- 利回りとは?
1-1.利回りの定義 - 駐車場経営の利回り
2-1.表面利回りと実質利回り
2-2.表面利回り(グロス)とは?
2-3.実質利回り(ネット)とは? - 駐車場経営は稼働率が重要!
3-1.稼働率を実質利回りに組み込む - 【おまけ】賃貸住宅経営の利回り相場
- まとめ
1.利回りとは?
まずは「利回り(年利回り)」とは何なのか?基本的なところからご説明いたします。
そんなの知ってるよ!という方は次の章「2.駐車場経営の利回り」からお読みください。
1-1.利回りの定義
辞書で「利回り」と検索すると、
【利回り】
投資によって得られる利益の、投資金額に対する割合。株価に対する配当額の割合など。
引用元:三省堂 大辞林 第三版
と出てきます。
分かりやすく言うと、利回りとは『投資した金額に対する収益の割合を1年あたりの平均値にした数値』のことです。
利回りと混同しがちな言葉に「利率(年利率)」があります。
「利率」とは、
【利率】
元金に対する利子の割合。利子率。
引用元:三省堂 大辞林 第三版
利率は、額面金額に対し毎年受け取る利子の割合のことです。
それに対し利回りは、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことを指します。
投資した金額に対してどのくらいのリターンがあるのか、運用の成果を図る基準や目安となるだけではなく、運用の目標としたり、金融商品や不動産購入の指標となる数値です。
駐車場経営をはじめとした土地活用だけではなく、株やFX等投資にも使われる「利回り」。
同じ「利回り」でも、投資方法や種類によってそれぞれ考え方が異なるので、駐車場経営を検討されている方は、不動産投資における「利回り」の考え方を理解しておかなくてはなりません。
2.駐車場経営の利回り
2-1.表面利回りと実質利回り
不動産投資、駐車場経営における利回りには2つの考え方があります。
一般的に
年間の駐車場収入÷(土地購入価格+初期費用)×100で算出される「表面利回り(グロス)」と、
(年間の駐車場収入-ランニングコスト)÷(土地購入価格+初期費用)×100で算出される「実質利回り(ネット)」
2つの考え方があります。
表面利回りは良かったが、税金が高く思ったより利益が出なかった…なんてこともありうるので、2つの計算方法の違いをよく理解しておきましょう!
2-2.表面利回り(グロス)とは?
表面利回りとは、1年間の駐車場収入を初期費用(土地価格含む)で割ったものです。
表面利回りの場合、契約台数、稼働率に関わらず年間の駐車場収入で算出します。
年間の駐車場収入は、月極駐車場の場合満車時の賃料収入となります。
コインパーキング経営の場合は、運営会社に一括借り上げで委託するケースがほとんどですので、その場合借上げ賃料(駐車場運営会社から支払われる賃料)が駐車場収入となります。
初期費用に関しては、①月極駐車場の場合、②コインパーキングの場合、更に③個人で運営する場合(自営)、④運営会社に委託する場合で大きく異なります。
主な初期費用はアスファルト舗装等の土地整備費と看板設置費、機器の設置工事費となります。
また、すでに土地を所有している方は、土地購入費用は0円となります。
ですが、 相続などで土地を所有することになった場合は、相続税が初期費用に該当します。
表面利回りの特徴は、1年間の駐車場収入を初期費用(土地価格含む)で割るというシンプルな計算式である、という点です。
土地購入から駐車場経営を検討している方には、表面利回りが土地を購入すべきかどうかを考える1つの判断材料となります。
しかし、表面利回りには問題点があります。
それは、正確性に欠ける点です。
表面利回りは、管理委託費や税金等のランニングコストを計算式に組み込んでいないのと、契約台数や稼働率に関わらず年間の駐車場収入で計算をします。
その為、正確性に欠けると言われています。
より正確な利回りを算出したい!という方は、次に紹介する「実質利回り」を参考にしましょう。
2-3.実質利回り(ネット)とは?
実質利回りとは、1年間の駐車場収入からランニングコストを引いた金額を初期費用で割ったものです。
実質利回りの特徴は、先ほどの表面利回りの計算式に税金や管理委託費等のランニングコストを組み込んだ計算式になるので、よりリアルな数字となります。
駐車場運営会社に問い合わせれば、初期費用とランニングコスト(管理委託料)の見積もりをもらえますので、まずは問い合わせてみましょう!
3.駐車場経営は稼働率が重要
月極駐車場もコインパーキングも経営してみると分かるのですが、常に満車の状態を保つのは難しいです。
実際には、稼働率が60%だったり、40%だったり…
しかし、表面利回り・実質利回りの計算式ともに、年間の駐車場収入は稼働率が100%の状態で計算しています。
駐車場経営の利回りを考える際には、稼働率も計算式に加えることでより正確な数値を算出することができます!
稼働率は実際に経営を始めないと算出できませんので、ここでは仮に70%の稼働率だと仮定して計算してみましょう!
3-1.稼働率を実質利回りに組み込む
そもそも稼働率とは、月極駐車場とコインパーキングで考え方が異なります。
一般的に月極駐車場の場合、「全体の車室数に対して何車室契約があるか」で考えます。
コインパーキングの場合は「24時間のうち何時間駐車されていたか」で考えることが一般的です。
仮に稼働率が70%だとすると、どのように計算式に組み込むのか…
計算式はこのようになります。
稼働率は、利回りの計算に使用するだけでなく、駐車場経営を成功させるために必要な知識ですので是非覚えておいてください。
【おまけ】賃貸住宅経営の利回り相場
一般財団法人 日本不動産研究所が2019年10月に発表した不動産投資家調査によると、各都市の賃貸住宅一棟(ワンルーム)の期待利回りは下記図の通りです。
引用元:一般財団法人 日本不動産研究所
東京都が城南地区で4.2%、城東地区で4.5%
その他各都市が4.9%~5.7%で、平均すると5%前後という結果でした。
東京都内に比べ、地方都市の方が利回りは高い結果となっております。
地方の方が利回りが高くなる原因は、物件の購入価格が都内と比較すると安いからです。
しかし、これらの結果は表面利回り(年間賃料(家賃収入)÷物件価格)で算出された結果であって、ランニングコストや稼働率は加味されていません。
マンション・アパートの契約者が満室の状態で算出しているので、利回りが高いからと言って必ずしも地方都市の方がリターンが良いという結果ではありません。
実際は、都内に比べ地方都市の方が空室率が高いということもあります。
物件によって空室率は異なりますので、本当の意味での利回りを算出したい場合は、実質利回りに稼働率を加えた計算式で算出することをおすすめいたします。
マンション・アパート等の賃貸住宅経営も駐車場経営も、不動産投資の利回りには「稼働率」が重要になります。
利回りの算出には、実質利回りに稼働率を加えた計算式で算出しましょう!
5.まとめ
利回りとは、投資した金額に対してどのくらいのリターンがあるのかを数値化したものです。
株やFX等の投資に使われる利回りと駐車場経営の利回り。
同じ「利回り」でも、投資方法や種類によってそれぞれ考え方が異なるので、駐車場経営を検討されている方は、不動産投資における「利回り」の考え方を理解しておかなくてはなりません。
駐車場経営をはじめとした不動産投資の利回りは、実質利回りで算出することが大切です。
さらに!より正確な数値を算出したい場合には、実質利回りに稼働率を加味して計算することをおすすめします。
駐車場経営は大きく分けて2つの経営方法があります。
1つ目は、個人で運営(自営)する方法、そして2つ目が駐車場運営会社に委託する方法。
個人で運営する場合には収支の計算や事業計画を立てる上で利回りの計算は欠かせません。
運営会社に委託する場合でも、利回りに関する知識があることで契約内容をより深く理解でき、後悔のない事業計画を立てられるでしょう。
大切な資産を儲かる資産にする為にも、利回りに関して正しい知識を身につけ、理解しておくことは大切です。
今回は、駐車場経営の利回りについて紹介しましたが、初期費用や税金、よくあるトラブル等、駐車場経営を成功させるためには駐車場経営全体のことを知る必要があります。
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