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駐車場経営における利回りの計算方法とは?表面・実質の違いと相場の目安を解説

更新日:2026.7.9 公開日:2020.1.6

駐車場経営における利回りの計算方法とは?
土地活用を検討するうえで、多くの方が気になるのが「利回り」ではないでしょうか?

  • 「駐車場経営はローコスト・ローリスクと言われているけど、利回りの目安はどのくらい?」
  • 「そもそも利回りって何?表面利回りと実質利回りの違いは?」
  • 「稼働率を考慮した、より正確な利回りの計算方法が知りたい」

このようなお悩みをお持ちの方に向けて、今回の記事はぜひ読んでいただきたい内容です。
利回りを正しく理解していないと、「思っていたよりも利益が出ない…」「もっと条件のいい土地活用を選べばよかった…」という後悔につながりかねません。
結論から言うと、駐車場経営をはじめとした不動産投資の利回りを計算するときは、稼働率を計算に組み込むことが大切です。
今回は、利回りとは何か?という基本的な内容から、駐車場経営における利回りの考え方・計算方法、さらに利回りの目安(相場)具体的な計算シミュレーションまで、土地活用初心者の方にも分かりやすいようにまとめました。
本記事を最後まで読めば、駐車場経営における利回りに関する基礎知識と、自分の土地で経営した場合のおおよその収益イメージをつかむことができます。

1.利回りとは?

手のひらに円マーク
まずは「利回り(年利回り)」とは何か、基本的なところからご説明します。
すでにご存じの方は、次の章「2.駐車場経営における利回りの考え方」からお読みください。

1-1.利回りの定義

辞書で「利回り」を調べると、

【利回り】
投資によって得られる利益の、投資金額に対する割合。株価に対する配当額の割合など。
引用元:三省堂 大辞林 第三版

と出てきます。
分かりやすく言うと、利回りとは「投資した金額に対する収益の割合を、1年あたりの平均値にした数値」のことです。

1-2.「利回り」と「利率」の違い

CHECK!

利回りと混同しがちな言葉に「利率(年利率)」があります。
「利率」とは、

【利率】
元金に対する利子の割合。利子率。
引用元:三省堂 大辞林 第三版

利率は、額面金額に対して毎年受け取る利子の割合のことです。
それに対し利回りは、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことを指します。

投資した金額に対してどのくらいのリターンがあるのか、運用の成果を測る基準や目安となるだけではなく、運用の目標を立てたり、金融商品や不動産購入の指標としたりする際にも使われる数値です。
駐車場経営をはじめとした土地活用だけではなく、株やFXなどの投資にも使われる「利回り」ですが、投資方法や種類によって考え方が異なるため、駐車場経営を検討されている方は、不動産投資における「利回り」の考え方をしっかり理解しておく必要があります。

2.駐車場経営における利回りの考え方

駐車場経営の利回り
不動産投資、駐車場経営における利回りの考え方には、「表面利回り」「実質利回り」の2種類があります。

2-1.表面利回り(グロス)とは?

表面利回りとは、1年間の駐車場収入を初期費用(土地価格を含む)で割ったものです。

表面利回り(%)=年間駐車場収入÷(土地価格+初期費用)×100

表面利回りは、契約台数や稼働率に関わらず、年間の満室(満車)想定の駐車場収入で算出します。
年間の駐車場収入は、月極駐車場の場合は満車時の賃料収入となります。コインパーキング経営の場合は、運営会社に一括借り上げで委託するケースがほとんどのため、借上げ賃料(駐車場運営会社から支払われる賃料)が駐車場収入となります。
初期費用については、①月極駐車場か②コインパーキングか、さらに③個人で運営(自営)するか④運営会社に委託するかによって大きく異なりますが、主な初期費用はアスファルト舗装等の土地整備費、看板設置費、機器の設置工事費です。
すでに土地を所有している方は土地購入費用が0円となりますが、相続などで土地を取得した場合は、相続税が初期費用に該当することもあります。
表面利回りの特徴は、1年間の駐車場収入を初期費用(土地価格含む)で割るというシンプルな計算式である点です。土地購入から駐車場経営を検討している方にとっては、表面利回りが土地を購入すべきかどうかを考える1つの判断材料となります。
しかし、表面利回りには正確性に欠けるという問題点があります。管理委託費や税金等のランニングコストを計算式に組み込んでおらず、契約台数や稼働率に関わらず満室想定の年間収入で計算するためです。
より正確な利回りを算出したい方は、次に紹介する「実質利回り」を参考にしましょう。

2-2.実質利回り(ネット)とは?

実質利回りとは、1年間の駐車場収入からランニングコストを引いた金額を、初期費用で割ったものです。

実質利回り(%)=(年間駐車場収入-ランニングコスト)÷(土地価格+初期費用)×100

実質利回りは、表面利回りの計算式に税金や管理委託費等のランニングコストを組み込むため、よりリアルな数字となります。
駐車場運営会社に問い合わせれば、初期費用とランニングコスト(管理委託料)の見積もりをもらえますので、まずは問い合わせてみましょう。

2-3.表面利回りと実質利回りの違い早見表

2つの利回りの違いを、表で整理すると次のとおりです。

項目 表面利回り(グロス) 実質利回り(ネット)
計算に使う収入 満室想定の年間収入 満室想定の年間収入
ランニングコスト 考慮しない 考慮する
稼働率 考慮しない 考慮しない(次章で組み込み方を解説)
特徴 計算がシンプルで目安をつかみやすい より実態に近い、正確な数値

表面利回りは良さそうに見えても、税金や管理コストが高く、思ったより利益が出なかった…ということもあり得るため、2つの計算方法の違いをよく理解しておくことが大切です。

3.駐車場経営の利回りの目安・相場

不動産投資、駐車場経営を検討する際に気になるのが「利回りの目安(相場)はどのくらいか」という点でしょう。ここでは、一般的に言われている目安を紹介します。ただし、立地や土地の形状、周辺の駐車場相場、契約条件によって大きく変動するため、あくまで一つの参考値としてご覧ください。

3-1.月極駐車場の利回りの目安

月極駐車場は、契約者と月単位で賃貸借契約を結ぶ形態のため、コインパーキングに比べて収入は安定しやすい一方、単価は低めになりやすい傾向があります。実質利回りの目安は、一般的に5〜10%程度と言われることが多く、都市部よりも郊外・地方の方が、土地の取得・整備コストが低い分、利回りが高くなりやすい傾向があります。

3-2.コインパーキングの利回りの目安

コインパーキング(時間貸し駐車場)は、時間単位・回転率の高さで収益を積み上げる形態のため、立地条件が良ければ月極駐車場より高い利回りが期待できます。実質利回りの目安は、一般的に10〜20%程度とされることが多いですが、機器の設置費用やメンテナンス費、システム利用料などランニングコストが月極駐車場より高くなりやすい点には注意が必要です。

3-3.賃貸住宅経営との利回り比較

賃貸住宅経営の利回り
駐車場経営と比較されることの多い、マンション・アパート等賃貸住宅経営の利回りについても触れておきます。
一般財団法人 日本不動産研究所が2026年5月に公表した「不動産投資家調査®」(第54回、2026年4月現在)によると、各都市の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回りは下表のとおりです。

都市 期待利回り(ワンルームタイプ)
東京・城南地区 3.6%
札幌 4.9%
仙台 5.0%
横浜 4.2%
名古屋 4.5%
京都 4.6%
大阪 4.2%
神戸 4.7%
広島 5.0%
福岡 4.5%

出典:一般財団法人 日本不動産研究所「第54回 不動産投資家調査®」(2026年4月現在)
東京都心(城南地区)が3.6%と最も低く、その他の主要都市は4.2〜5.0%程度、平均すると4.5%前後という結果でした。都心に比べ地方都市の方が期待利回りは高い傾向が続いていますが、これは物件の取得価格が都心部より抑えられることが主な要因です。
なお、前回(2025年10月・第53回)調査と比較すると、東京・城南地区や横浜、大阪などで小幅な利回りの低下(圧縮)が見られました。不動産投資家の「新規投資を積極的に行う」という回答が93%と高水準を維持しており、旺盛な投資需要が期待利回りの水準に影響していると考えられます。
ただし、この結果は表面利回り(年間賃料÷物件価格)ベースの期待値であり、ランニングコストや稼働率(空室率)は加味されていません。マンション・アパートも駐車場経営と同様、利回りが高いからといって必ずしもリターンが良いとは限らない点に注意が必要です。実際は、都心部に比べ地方都市の方が空室率が高いケースもあります。
本当の意味での利回りを算出したい場合は、実質利回りに稼働率(空室率)を加えた計算式で算出することをおすすめします。

4.駐車場経営は稼働率が重要

駐車割合
月極駐車場もコインパーキングも、実際に経営してみると分かりますが、常に満車の状態を保つのは簡単ではありません。実際には稼働率が60%だったり、40%だったりします。
しかし、前章の表面利回り・実質利回りの計算式は、いずれも年間の駐車場収入を稼働率100%の状態で計算しています。駐車場経営の利回りを考える際には、稼働率も計算式に加えることで、より正確な数値を算出できます。稼働率は実際に経営を始めないと分からないため、ここでは仮に70%と仮定して計算してみましょう。

4-1.稼働率とは?月極とコインパーキングの違い

そもそも稼働率とは、月極駐車場とコインパーキングで考え方が異なります。
一般的に月極駐車場の場合は「全体の車室数に対して何車室契約があるか」で考えます。コインパーキングの場合は「24時間のうち何時間駐車されていたか」で考えることが一般的です。

4-2.稼働率を実質利回りに組み込む

仮に稼働率が70%だとすると、計算式にはこのように組み込みます。

実質利回り(%)=(年間駐車場収入×70%-ランニングコスト)÷(土地価格+初期費用)×100

稼働率は、利回りの計算に使うだけでなく、駐車場経営を成功させるために欠かせない知識ですので、ぜひ覚えておいてください。

5.【計算例】実質利回りをシミュレーションしてみよう

ここまでの内容を踏まえて、実際に数字を当てはめながら実質利回りを計算してみましょう。

5-1.シミュレーションの条件

今回は、以下の条件でシミュレーションしてみます。

  • 土地:自己所有(土地購入費0円)
  • 初期費用:300万円(アスファルト舗装・区画線・看板等)
  • 満車想定の年間駐車場収入:120万円
  • 年間ランニングコスト(管理委託費・税金等):20万円
  • 稼働率:70%

5-2.計算の手順

まずは表面利回りを計算してみます。

表面利回り=120万円÷300万円×100=40%

次に、ランニングコストのみを考慮した実質利回りです。

実質利回り(稼働率考慮なし)=(120万円-20万円)÷300万円×100=33.3%

最後に、稼働率70%を組み込んだ実質利回りを計算します。

実質利回り(稼働率考慮あり)=(120万円×70%-20万円)÷300万円×100=21.3%

同じ条件でも、稼働率を組み込むかどうかで利回りの数値は大きく変わることが分かります。表面利回りの40%だけを見て事業計画を立ててしまうと、実際の収益とのギャップに後で戸惑うことになりかねません。

5-3.稼働率別の利回り比較

同じ条件で稼働率を変えた場合、実質利回りは次のように変化します。

稼働率 年間収入(稼働率考慮) 実質利回り
100% 120万円 33.3%
80% 96万円 25.3%
70% 84万円 21.3%
60% 72万円 17.3%
40% 48万円 9.3%

このように、稼働率が10〜20%変動するだけで、実質利回りは大きく上下します。事業計画を立てる際は、楽観的な稼働率だけでなく、やや厳しめの稼働率でもシミュレーションしておくと安心です。

6.駐車場経営の利回りを高めるポイント

最後に、利回りを少しでも高めるためのポイントを3つ紹介します。

ポイント1.初期費用を抑える

アスファルト舗装のグレードや区画数、看板・機器のプランを見直すことで、初期費用を抑えられる場合があります。複数の駐車場運営会社から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

ポイント2.稼働率を高める立地・料金設定にする

稼働率は利回りに直結する重要な要素です。周辺の駐車場相場や需要(近隣の商業施設・オフィス・駅からの距離など)を調査したうえで、適切な料金設定を行うことが稼働率アップにつながります。

ポイント3.ランニングコストを定期的に見直す

管理委託費やシステム利用料は、運営会社やプランによって差があります。契約から数年経っている場合は、他社のプランと比較したり、運営会社に条件面の相談をしてみるのも一つの方法です。

7.まとめ

利回りとは、投資した金額に対してどのくらいのリターンがあるのかを数値化したものです。株やFXなどの投資に使われる利回りと、駐車場経営の利回り。同じ「利回り」でも、投資方法や種類によって考え方が異なるため、駐車場経営を検討されている方は、不動産投資における「利回り」の考え方を理解しておく必要があります。
駐車場経営をはじめとした不動産投資の利回りは、実質利回りで算出することが大切です。さらに、より正確な数値を算出したい場合は、実質利回りに稼働率を加味して計算することをおすすめします。
駐車場経営は大きく分けて、①個人で運営(自営)する方法、②駐車場運営会社に委託する方法の2つがあります。個人で運営する場合は、収支計算や事業計画を立てるうえで利回りの計算が欠かせません。運営会社に委託する場合でも、利回りの知識があれば契約内容をより深く理解でき、後悔のない事業計画を立てやすくなります。
大切な資産を「儲かる資産」にするためにも、利回りに関する正しい知識を身につけておきましょう。
今回は駐車場経営の利回りについて紹介しましたが、初期費用や税金、よくあるトラブルなど、駐車場経営を成功させるためには経営全体について知っておくことが大切です。こちらも合わせてご覧ください。

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執筆者 株式会社アップルパーク編集部
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