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後悔しない駐車場経営 駐車場経営をする上で必要な保険とは?

更新日:2020.8.25

駐車場_保険

あなたは、駐車場を経営する上で必要な保険があるのは、知っていますか?

駐車場経営に関する保険は、下記3種類です。

  1. 施設賠償責任保険
  2. 動産総合保険
  3. 火災保険

必ずしも加入しなければいけないというわけではありません。

ですが、
「精算機のお金が盗まれてしまった!」
「利用者に損害を与え補償しなければいけなくなった!」
トラブルが起きてからでは遅いので、駐車場を開設する前に必ず加入を検討してください!

月極駐車場や時間貸し駐車場(コインパーキング)など経営する駐車場の種類に合わせて、適切な保険を選択する必要があります。

本記事は、これから駐車場経営を始めようという方に知っておいて欲しい内容になります。
ぜひ参考にしてください。

1.駐車場にまつわる様々な保険

駐車場経営のリスク
駐車場を経営していると、事故が発生するリスクがあります。

  • 精算機が当て逃げされてしまった
  • 駐車場内の壁が壊されてしまった
  • 設置した看板が外れて、利用者の車を傷つけてしまった

事故といっても様々なケースがあり、状況によっては運営者側が責任を負う場合もあります。
その際に、保険に加入していれば修繕費などを保険でカバーできます。

駐車場経営を始める際に、検討すべき代表的な保険を下記表にまとめてみました。

施設賠償責任保険
対象となる駐車場 全ての駐車場
保険の対象 利用者、近隣住民、利用者の車など
特徴 駐車場設備が原因で、利用者や近隣住民、利用者の車などに危害を加えてしまい、運営者側が法律上の損害賠償責任を負担した場合に、損害金が補償される保険
動産総合保険
対象となる駐車場 時間貸し駐車場
(コインパーキング)
保険の対象 駐車場機器・現金
特徴 駐車場機器が故障したり(経年劣化は対象外)、盗難にあった場合に機器の修理費用や精算機内の現金が補償される保険
機械保険
対象となる駐車場 時間貸し駐車場
(コインパーキング)
保険の対象 駐車場機器
特徴 駐車場機器が故障した場合(経年劣化は対象外)に機器の修理費用が補償される保険
※盗難は対象外(精算機内の現金も対象外)
火災保険
対象となる駐車場 建物の敷地内で運営する駐車場
保険の対象 駐車場内(機器以外)
特徴 火災や台風、爆発などによって、建物が破損倒壊した場合に補償される保険
自動車管理者賠償責任保険
対象となる駐車場 有人管理の駐車場
保険の対象 管理を預かった車
特徴 預かった車が運営者側の過失で、管理中に壊れたり盗まれたりした場合、預け主に対して、支払う損害金が補償される保険

駐車場経営で必要になるのは、主にこの3つの保険です。

  • 施設賠償責任保険
  • 動産総合保険
  • 火災保険

駐車場の種類や駐車場機器や建物など、「なに」を対象にするかによって加入する保険を選びましょう!

2.第三者への損害に対する保険

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2-1.施設賠償責任保険とは?

駐車場の保険1つ目は、施設賠償責任保険です。

施設賠償責任保険は、時間貸し駐車場(コインパーキング)、月極駐車場どちらを経営する場合でも必要な保険です。
駐車場施設を対象としている保険で、運営者側の不備や構造上の欠陥により、利用者や利用者の車両、近隣の方に損害を与えてしまったときに、その損害金が補償される保険です。

駐車場を経営していると様々なトラブルが発生します。

例えば、こんなトラブルがあります。

  1. マンホールが外れていて、駐車場に停めている車に傷がついてしまった。
  2. P看板(満空看板)の設備が落ちてしまい、歩行者に当たってケガをさせてしまった。

修理代やケガの治療費を請求された場合、補償費用が高額になることも考えられます。

駐車場経営を始めてせっかく収益が出たのに補償費用で急な出費が発生してしまい、駐車場経営が失敗することも・・・

そんなときは”施設賠償責任保険”に加入していれば安心です。

時間貸し駐車場(コインパーキング)、月極駐車場のどちらを経営する場合でも対象になります。

ちなみに施設とはどういったものを指すでしょうか?

「駐車場全て」を指します。

例えば「料金看板」や「駐車場の舗装」「駐車場内にあるマンホール」など全ての設置物が対象です。

2-2.施設賠償責任保険の注意点

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施設賠償責任保険は、運営者側の責任で利用者や利用者の車、近隣の所有物に対して補償する保険になります。

施設賠償責任保険で保険金が支払われるのは、どの部分でしょうか?

・損害賠償金
法律上の損害賠償責任に基づき、損害賠償請求者に対して支払うべき治療費や修理費などのこと。
・緊急措置費用
事故が発生し、他人にケガをさせてしまった場合の応急処置費用。
・損害防止費用
発生事故を拡大しないために必要であった費用。
(例 火災が発生し消火器で火を消した場合の消火器費用など)
・訴訟費用
損害賠償に関して争訟になった場合の訴訟費用や、弁護士費用。

この保険は、利用者や利用者の車など、相手に対して補償する保険になります。

施設自体を修繕する保険ではないので、気を付けましょう。

また全ての事故に対して、施設賠償責任保険が支払われるとは限りません。

例えば、下記に記載している理由では支払い対象になりません。

  • 故意で生じた損害賠償責任
  • 地震、噴火、洪水、津波または高潮に起因する損害賠償責任
  • 施設の新築、修理、改造または、取り壊しなどの工事に起因する損害賠償責任

所有している駐車場の「管理や安全性の維持」に関して、不備があった場合のみ保険が適用になります。

そのため故意であったり、地震などの自然災害が原因では、保険金は支払われませんので注意しましょう。

次の章で事例を交えながら、説明していきます。

2-3.事例紹介

施設賠償責任保険の事例を紹介します。

P看板落下事故

【事例①】看板が落下してしまい、隣地のフェンスを破損。

駐車場に設置していたP看板(満空看板)が、落下してしまいました。

風の強かった日ではありますが、看板と柱を支えていた留め具が緩んでいたのが原因かもしれません。

P看板はもちろん破損してしまい再度購入をいたしました。

さらにP看板が落下したときに、隣地のフェンスに傷をつけてしまいました。

すぐに謝罪に行き修繕費を聞いたら、なんと50万円すると言われてしまいました。

当時は駐車場の保険があるということを知らず、施設賠償責任保険に加入しておりませんでした。

隣地の方に迷惑をかけたことは事実なので、修理費の50万円程度を自腹で負担し解決しました。

あのとき保険に入っていれば良かったと後悔しています。

施設賠償責任保険に加入をしていれば、隣地のフェンス修繕代は保険で補償される事例でした。

施設賠償責任保険は、どの保険会社のプランでも比較的安価で加入できます。

駐車場によって価格は変動しますが、年間契約で費用は数千円程度です。

保険料が安いので、加入しておいて損はないでしょう。

個人で駐車場を経営している場合、こうしたトラブルに対して備えることが重要です。

「事故が発生してから考える」では遅いのです。

3.機器設備や現金に対する保険

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3-1.動産総合保険とは?

駐車場の保険2つ目は、動産総合保険です。

動産総合保険は、駐車場機器などの不動産以外の財産(動産)を対象にしている保険です。

不測かつ突発的な不慮の事故などによって発生した損害を補償してもらえます。

駐車場内で精算機を当て逃げされた場合、修理費は本来、運営者側が負担しますが、動産総合保険に加入していればその修理費用を保険でまかなうことができます。

しかし加害者が判明している場合は、動産総合保険の対象外となり加害者から修理費を請求する流れになりますので気を付けましょう。

あくまで加害者が誰かわからないときに、保険を使うことができます。

また保険をかける対象の中に精算機内の「現金」を含めることもできます。

万が一、精算機内のお金が盗まれてしまった場合も補償してもらえるので安心です!

補償額の上限金額によって、保険料も変わってくるので駐車場の売上を考慮して加入するといいでしょう。

3-2.動産総合保険の注意点

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動産総合保険の保険金が支払われない場合は、どういった理由でしょうか?

以下の理由によって故障、破損した場合には保険金が支払われません。

  • 経年劣化による故障
  • 風、雨、雪、雹、砂塵その他の吹込み、または雨漏りによって生じた損害
  • 地震、噴火、津波によって生じた損害

また保険金が請求できたとしても、機器については満額補償してもらえるとは限りません。

動産総合保険の損害金は、設定保険金額を上限に支払われます。

設定保険金額については年々減価償却の対象になります。償却の仕方は様々ですので、保険会社に問合せください。

機器は年数が経つにつれて劣化するため、補償される金額も下がっていきます。

ただし精算機の中にある現金は劣化することがないので、最初に設定した上限金額から減ることはありません。

動産総合保険も施設賠償責任保険と同様に年間契約になりますが、施設賠償責任保険とは異なり、補償額が下がっていくため、機器の経過年数によって保険に加入し続けておくべきか、精査する必要があるでしょう。

3-3.事例紹介

動産総合保険の事例を紹介します。

精算機荒らし

【事例②】精算機荒らしに遭ってしまった。

利用者から「精算機が壊れていて、精算ができない」と入電がありました。

駐車場へ確認に向かうと、精算機がバールのようなものでこじ開けられていて、機内に保管していた現金も全てなくなっていました。

すぐに警察へ連絡し被害届を出しましたが、犯人は見つからず・・・

動産総合保険に加入していたので、盗まれた現金の金額と、盗難被害によって機器が壊れて修理不能になった旨を保険会社へ相談しました。

すると保険会社の担当者から、

「精算機の修理代と精算機内にあった現金の両方とも保険で補償できる」

という話をいただきました。

自費で負担すると何百万もかかってしまうところでしたが、保険で対応していただけたので大変助かりました。

保険に加入していてよかったと思います。

上記の事例では動産総合保険に加入していたので、精算機の修理代や精算機内の現金を補償してもらえることとなりました。

精算機については時価額で金額を算出するため、機械を設置してから年数が経過している場合、満額補償されるわけではないので注意しましょう。

現金の盗難については、保険に加入するときに、上限の金額を設定します。

実際に現金が盗難された場合は、直近の集金金額の資料や遠隔システムで売上を確認し、本来回収できるはずだった金額について記載した資料をもとに金額が補償されます。

3-4.類似している保険

動産総合保険 機械保険

動産総合保険と同じく駐車場機器に対する保険として、機械保険があります。

違いは2点あります。

・損害金を新価で算出する
新価とは購入したときと同じ機器を新しく買いなおした場合、かかる費用のことです。
もし壊れた機器が製造中止している等の理由から、同じ機器を購入できない場合は、再調達価格で算出します。
※再調達価格・・・同等の機器を新たに買いなおした際にかかる費用
・盗難による損害は保険の対象外
盗難や窃盗未遂で機器が破損した場合は対象外です。

もし機械保険に加入する場合は、別途「現金」に対して動産総合保険を付保することも考えたほうが良いかもしれません。

4.アパートやマンション内で駐車場経営を行なう場合

ピロティ駐車場

4-1.火災保険とは?

駐車場の保険3つ目は、火災保険です。

マンションやアパートの1階部分やビル型の機械式駐車場、商業施設の立体駐車場など、建物の一部で駐車場を経営する場合に加入ができ、火災や台風、雪などで建物が倒壊してしまった場合、補償される保険です。

火災保険の基本プランとはどのような内容でしょうか?

  • 火災
  • 落雷
  • 破裂・爆発
  • 風災(台風)
  • 雪災
  • 水災

などの自然災害による建物の倒壊、破損で補償されるイメージでしょう。

例えば、マンションの壁が当て逃げされて破損してしまったら・・・?

火災保険の中でも「破損・汚損」のプランに加入しておけば、駐車場内の壁面が壊されてしまったときに補償してもらえます。

駐車場経営をする場合は、基本プランだけではなく、「破損・汚損」のプランに加入しておくと安心です。

4-2.火災保険の注意点

3つのチェックポイント

すでに火災保険に加入している場合は、契約内容を一度確認の上、加入している保険会社に相談しましょう。

「駐車場経営を考えていて、破損・汚損のプランについて相談したい。」

などの聞き方でOKです。

新しく火災保険に加入する場合にも、「駐車場経営を考えている」ということと「破損・汚損」のプランに加入希望であることを保険会社へ伝えてください。

4-3.事例紹介

火災保険の事例を紹介します。

壁崩壊のイラスト

【事例③】マンションの壁に傷がついてしまった。

私はマンションの1F部分で、駐車場を経営しています。

ある日、清掃をするため駐車場へ向かったところ、マンションの壁に傷がついていました。

壁に擦ったような跡があり、おそらく駐車場の利用者につけられたんだと思います。

結局、擦った本人が名乗り出ることはなかったので、保険会社へ連絡しました。

担当者の方と相談し壁の塗り直しを行ない、保険会社へ塗り直した金額を請求しました。

書類のやりとりは大変でしたが、全額補償されたので、一安心です。

今回は「破損・汚損」のプランに加入していたお陰で、保険で補償してもらえることとなりました。

壁を擦ったような小さい傷は自費で修繕しても少額で済みますが、もし建物が倒壊してしまったら高額になってしまいます。

マンションなど建物の敷地内で駐車場経営をする時には、必ず火災保険の契約内容を見直すことをおすすめします。

5.まとめ

駐車場を経営する上で加入した方が良い保険は

  1. 施設賠償責任保険
  2. 動産総合保険
  3. 火災保険

どういった駐車場を経営するかによって、適切な保険を選択しましょう。

なにかあってからでは遅いので、駐車場を開設する前に保険会社へ相談の上、加入してください。

また駐車場運営会社に土地を貸す一括借り上げ(サブリース)であれば、駐車場の保険についても運営会社が加入し、なにかあったときも運営会社が保険会社とやりとりを行なうので、オーナー様は安心です。

一括借り上げの仕組みについては、こちらで説明しているので合わせてお読みください。

おまけ【有人管理で駐車場経営を行なう場合】

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駐車場を経営するにあたって、なかには様々な理由で人を雇って車の入出庫や誘導を依頼することもありますよね?

そんなときは、自動車管理者賠償責任保険に加入しましょう。

  • 機械式駐車場の操作を誤り、利用者の車をぶつけた。
  • 管理している時間中に利用者の車が盗難されてしまった。

自動車管理者賠償責任保険は、利用者の車を預かっている時間内にその車を傷つけてしまったり、盗難されてしまったときに、車の持ち主に対して運営者側が負担した損害金を補償してもらう保険です。

常駐する管理者がいない場合や、無人で運営している時間貸し駐車場(コインパーキング)や月極駐車場では、加入の対象となりません。