コインパーキングの機械って?どんな種類があるの?
「コインパーキング経営を始めたいけど、どんな種類があるか知りたい」
「自分の駐車場にはどの機器が適しているのか、わからない」
コインパーキングを始めるといっても、いくつか種類があり、それによって機械もさまざま。
コインパーキングの種類は大まかに3つです。
- ロック式
- ゲート式
- 前払い式
どのような種類があるのか、機械の仕組み、メリット、デメリットについても徹底解説していきます!
これを読めば自分の持っている土地に向いているコインパーキングの種類がお分かりいただけますよ。
1.立地や広さによってコインパーキングの種類を選択しましょう!
街中を見渡してみると、コインパーキングには多種多様な種類の機器が設置されていますよね?
どのコインパーキングも立地や広さによって設置する機械が異なります。
例えば、新宿周辺で5台のコインパーキングと50台のコインパーキングでは、同じ機械を設置して運営できるでしょうか?
答えはNOです。
なぜなら、機械によって向き不向きがあるので、立地や広さを考えずに機械を設置してしまうと、費用がかさばったり、管理が難しく、利用者にも迷惑がかかってしまうからです。
5台のコインパーキングであれば、ロック式のコインパーキングが最適です。
ですが、50台のコインパーキングを、ロック式のコインパーキングにしてしまうと、機械代がかなりかかってしまったり、精算機に長蛇の列ができてしまったり・・・
というデメリットが考えられます。
コインパーキング経営を始める際には、立地や広さを考慮して、機器の種類をじっくり検討しましょう。
2.コインパーキングの主流!ロック式とは?
コインパーキングの種類1つ目は、「ロック式」です。
街中で見かけるコインパーキングの種類では、このロック式が圧倒的に多いですね。
20台未満の比較的規模が小さいコインパーキングで採用されているシステムです!
2-1.ロック式の仕組み
ロック式の仕組みは、車が停まっていると機械が判断すると、ロック板が上昇します。
利用後は、駐車料金を精算機で支払うことで、ロック板が下降し、車を出庫できるようになります。
注意点がひとつ。
こちらの種類の機械を設置する場合は、「精算後、速やかに出庫する」ことを利用者に周知しましょう。
なぜなら、利用者が精算後、もし車を出庫しなかった場合、ロック板が再度上昇してしまうからです。
ロック板が下降したあと、一定の時間が経過すると再度、「車が駐車スペースにいる」と機械が判断して、ロック板が上昇してしまいます。
その際、ロック板が上がっていることに利用者が気づかず、駐車スペースから出庫しようとすると、ロック板が車のバンパー部分に引っ掛かります。
ここで無理やり利用者が出庫しようとすると、車両が傷つき、ロック板が故障することも・・・
補償トラブルに繋がる場合もあるので、駐車場内の看板に分かりやすく、利用者にアピールすることをおすすめします。
例えば、料金看板に「精算後、速やかに出庫する」と追記するのもひとつの手段です。
2-2.ロック式のメリット・デメリット
ロック式のメリットは、乗り逃げ防止になることです。
駐車している間、ロック板が上昇するため、代金を支払わないと出庫できないからです。
そのため、必ず利用者から料金を徴収できます。
デメリットは、ロック板に不具合が起きると、利用者が出庫できなくなることです。
駐車料金の支払いをしてもロック板が下がらなかった場合、修理が完了するまで利用者を待たせてしまうこともあるからです。
2-3.ロック板の様々な種類
ロック式といっても1種類ではありません。
主に使用されている以下の4種類をご紹介します。
- ロック板
- 昇降式ロック板
- 前置き式ロック板
- ロックレス
- ロック板
一般的な種類で色々な駐車場で見るコインパーキングのシステムです。
メーカーによってロック板のサイズが異なります。車を検知すると写真の銀色になっている部分のロック板が上昇します。ロック板は利用者がコインパーキングを使用し、駐車したときに板が上がっていることが確認できるよう、運転席側に設置します。- 昇降式ロック板
車を検知すると真上に上昇するシステムです。昇降式は、病院の駐車場におすすめです。
なぜなら、昇降式であれば、ロック板を地面に埋め込むため、ロック板の出っ張りが少ないからです。昇降式以外のロック板は駐車場内に設置すると、地面から出っ張っているため、注意して歩かないとロック板に引っかかってしまい、転倒してしまう可能性があります。
昇降式であれば、ロック板と地面が平行になるため、出っ張りが少なく、ロック板に躓いて転倒するリスクが軽減されます。
- 前置きロック板
車室前方に設置し、車を検知すると、ロック板が上昇するシステムです。不正出庫されるリスクは低いですが、車を駐車するよりも前方に機械を設置するため、駐車スペースをその分、広く確保しておく必要があります。
- ロックレス式
ロックレスとは、ロック板がない駐車場のことです。利用時間は、駐車スペース後方に設置しているカメラや埋設したセンサーで車を認識し、管理します。
利用者の車が駐車スペースに入庫すると、「課金中」とランプが光り、車両の写真が撮影されます。
ロック式の場合は、以下のようなレイアウトになります。
3.大型駐車場や商業施設に多い種類 ゲート式とは?
コインパーキングの種類2つ目は、「ゲート式」です。
商業施設や空港、病院など、台数が多い(20台程度)コインパーキングで導入されています。
3-1.ゲート式の仕組み
ゲート式の仕組みは以下の通りです。
- 利用者が車を機械に近づけると駐車券が発行され、ゲートが開きます。
- 入場後は、空いている駐車スペースに車を停めます。
- 駐車場から出る際は、入場したときに発券された駐車券を精算機に挿入すると、料金が表示されます。
- 駐車料金を支払うことで、ゲートが開き、出場できます。
ゲート式では、精算機の他に4種類の機器が設置されています。
- 発券機
- ゲート機
- バーキャッチャー
- 事前精算機
- 発券機
コインパーキングの入口に設置されている駐車券を発行するための機械。発券された駐車券には、利用するコインパーキングに入場した時刻や車両ナンバーが印字されており、この駐車券を使用して出場時に精算をします。
- ゲート機
コインパーキングの出入口に設置し、利用者の入出庫を制御するための機械。カーゲートと呼ばれることもあります。
ゲート機には、ゲートバーという車両の入出庫を遮断するための設備が設置されています。- バーキャッチャー
ゲートバーを支える装置。ゲートバーを持ち上げて、不正に入出庫されることを防止します。
※ゲート式は、事前精算機がある場合もあります。
- 事前精算機
利用料金を事前に支払うための機械です。事前精算機で精算すると、出場する際に駐車券を機械に通すだけでゲートが開きます。
出場時にゲート機で精算待ちの列が出来るのを未然に防ぎます。商業施設や空港など、台数が多い、コインパーキングに設置されています。
3-2.ゲート式のメリット・デメリット
ゲート式のメリットは、台数が多い現場であればあるほど、1台あたりで考えると、コストが抑えられる点です。
ロック板を何台も購入するよりも、ゲート機一式を購入した方が安価に済みます。
ゲート式のデメリットは、なんらかの理由でトラブルが発生した場合、渋滞が起きてしまう点です。
例えば、高額紙幣使用不可のコインパーキングで利用者が高額紙幣しか持っていなかった場合、
精算機で利用者が気付いても両替をしないと出庫ができず、その間、他の利用者も出庫できなくなります。
そのため出庫渋滞が発生する可能性があり、利用者のストレスに繋がる場合もあります。
100台くらいのゲート式を運営するときは、出入口を2箇所に増やすなどの工夫が必要です。
ゲート式の場合は、以下のようなレイアウトになります。
4.価格を安く抑えたい!前払い式とは?
コインパーキングの種類3つ目は、「前払い式」です。
前払い式とは、精算機のみで運営するコインパーキングを指します。
4-1.前払い式の仕組み
前払い式では、利用者は先に駐車する時間分のチケットを購入します。
購入したチケットをダッシュボードの上など、車両の外側からでも見える位置に置き、時間内に出庫する仕組みです。
4-2.前払い式のメリット・デメリット
前払い式のメリットは、コストが抑えられる点です。
- 最低限の設備でコインパーキング経営が実現できる!
- 今までお伝えしたコインパーキングの種類は、精算機に加えて別途、ロック板やゲート機など、台数に応じて必要な機器を購入して経営する必要がありました。
前払い式なら、精算機のみでコインパーキング経営ができます。 - 未舗装タイプでもコインパーキングの開設が可能!
- 砂利敷きをし、区画用ロープ(トラロープ)で車室を割り振ることで、コインパーキングを開設できます。
月極駐車場を開設するときと同じ舗装方法ですね。アスファルト舗装をする必要がないので、コストを抑えることができます!
前払い式のデメリットは、機械的に不正駐車を抑止する仕組みがない点です。
- 不正駐車が発生しやすい
- ロック式やゲート式であれば、利用者が駐車料金を支払うまで出庫させないよう、抑止する機能があります。
しかし、前払い式のコインパーキングには、出庫を抑止する機器がありません。
そのため、利用者がチケットを購入しないと、駐車料金が支払われず、無料で駐車場を利用されてしまいます。1日に複数回の巡回を行なうことなどで、不正駐車をされにくいコインパーキング作りを心がけましょう。
前払い式の場合は、以下のレイアウトになります。
5.まとめ
コインパーキングの種類は、以下の3つです。
- ロック式
- ゲート式
- 前払い式
駐車場経営を始めるためには、初期費用が発生します。
駐車場機器の設置費用もその一部です。
どれくらい初期費用がかかるのか、その土地に何台くらい確保でき、利益が見込まれるのか。
自分が持っている土地の広さや立地にあわせて、コインパーキングの種類を決めましょう!
コインパーキングの機器は、様々な駐車場機器メーカーから販売されております。
近年ではキャッシュレス化に伴い、クレジットカードや電子マネー対応の機器も続々と登場しております。
機器の種類によって購入価格に違いがありますので、じっくり検討しましょうね。
コインパーキング経営には、今回ご紹介した機器の他に看板や利用約款など、設置が必要な設備があります。
初期費用に関しては、こちらで説明しているので、合わせてお読みください。